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毎日新聞『経済プレミア』に掲載されました。 [目指せ!次世代の畳へ]

毎日新聞『経済プレミア』に掲載されました。

http://sp.mainichi.jp/premier/business/entry/index.html?id=20150803biz00m010053000c

以下記事本文


『この人、この土地」だから生み出せる一品』



国産イ草の魅力を引き出す伝統と革新の畳職人


小高朋子 / 旅食ライター・カメラマン

2015年8月11日

創業1926(大正15)年、千葉県銚子市に店舗を構える
青柳畳店の4代目・青柳健太郎さん(38)が作り出す畳がすごい。

新調する畳はつやと張りがあってみずみずしく、
さまざまな職人と手がけるオリジナル商品
「tatami-goods」「oku-tatami」は畳の新しい可能性を教えてくれる。

国産イ草は密度が高く、繊維にコシがある

青柳畳店が一般住宅に納品する畳で使うイ草は、すべて国産だ。
国産イ草は密度が高く、繊維にコシと耐久性がある。

新調は1枚1万6800円から、表替えは1万800円からだ。
中国産の格安イ草で新調すると1枚5000円前後なので、決して安くはない。

それでも青柳畳店への注文は後を絶たない。
父で3代目の治雄さん(68)と2人で切り盛りしているため、
1日に作れるのは8〜10畳程度。

納品は常に1カ月半から2カ月待ちだ。
顧客は関東近郊が中心だが、注文があれば全国どこにでも納品する。
注文が引きも切らないワケは、納品の現場に立ち会って分かった。

 「新しくてツルツルで気持ち良いねえ。青々としたきれいな色だ」

畳を新調した家のご主人がうれしそうに笑っている。
床下を丁寧に掃除して畳を敷く最中、青柳さんと顧客の会話は途切れない。

青柳さんは言う。

「畳は、実は一点物です。その家の部屋に合わせて作ることが大事なんです」

6畳間でも、部屋によってその寸法は微妙に異なる。
家屋に合わせて作り込み、納品する時、部屋に合わせて丹念に微調整する。

2〜3年後には表替えでメンテナンスをする。
毎日繰り返し歩いてへこんでしまった部分にワラを入れ、高さを調整するのだ。

5〜6年に1度は、表裏を張り替えるのがオススメだ。
芯材が長持ちし、清潔感を保てる。

イ草には湿度をコントロールする働きがあり、高温多湿な日本の気候にピッタリの素材だ。
最高品質のイ草で作られた畳は、日差しを受け色が変わっても美しく、時間とともにきれいなアメ色になる。弾力性があるため、転んでもけがをしにくいなど、魅力をあげればキリがない。

青柳さんは、丁寧な手作業を施すだけでなく、顧客と接する中でこうした畳の魅力を日々伝えているのだ。

家業を継ぐ4代目の覚悟

しかし、ライフスタイルの変化に伴って畳の需要は急激に減っている。
畳のメンテナンスが大変といった理由で、時代とともに敬遠されていった。

国内の畳表生産量は2004年は780万枚、13年は343万枚に減っている。
イ草生産農家も同じく1260戸から622戸に半減している。
現在、市場には輸入品が多く出回り、その約8割を中国産が占める状況だ。

農林水産統計「イ草の作付面積と収穫量、畳表生産量」

畳職人の仕事は、体力も気力も使う、決して楽な仕事ではない。
しかし、青柳さんが家業を継ぐことを決めたのは、
父の治雄さんの「楽しそうな」仕事姿を子供のころから見ていたからだという。

青柳さんは言う。

「畳を納品して終わりではありません。
一度でも会った人とは死ぬまで関わりたいし、深く長くお付き合いをしたい。
私たちのような職人が、たまにお客さんの家に顔を出して、
『元気?』って声をかけるような習慣を残したいんです」

目指すは東京オリンピックの畳の表彰台

青柳さんは、畳に触れる機会の少ない若者に畳の良さを再認識してもらおうと、
新しい商品の開発にも力を入れている。それが「tatami-goods」「oku-tatami」だ。

tatami-goodsには、畳のバッグ(2万4800円〜)や、畳の名刺入れ(8100円)などがあり、
日々持ち歩きたくなるようなデザインの日用品がそろう。

畳表には不向きのため、捨てられていた短いイ草を活用した畳バッグは、
安倍晋三首相の夫人・昭恵さんも愛用している。

oku-tatami(1枚1万4040円)はフローリングに置いて使う、
従来のゴザとはひと味違う畳。
さらに、木の工房と組んで、畳を使った家具も製作している。
これらの製品は三越日本橋店(東京都中央区)で販売していて、どれも評判だという。

青柳さんは畳文化を世界に伝えるため、「畳でおもてなしプロジェクト」の委員としても活動している。
安倍昭恵さんが公式サポーターとして応援しているそうだ。
次に目指すのは、20年の東京オリンピックで畳の表彰台を使ってもらうこと。

「畳は足の下に踏んでもらって、肌で日本文化を感じてもらえる製品です」

楽(ラク)ではないが、楽=たのしみがある。たくさんの人の関わりの中で畳が生まれていた。
畳のある伝統的な暮らしから、新しい畳の楽しみ方まで、その可能性は今後も広がっていくだろう。







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